移住×起業者が教える「移住x起業の心得」

移住x起業とは?

石川県へ移住される方々の目的、住まい方、働き方は様々ですが、近年、時代の変化に伴い、移住を機に起業される方も増えてきました。こちらでは移住されて起業された方の経験やそういった方々をサポートしてきた経験から、これから移住、起業される方に向けて注意点などを心得としてまとめました。一般的な移住の注意点なども含まれますが、これから検討されるにあたって、参考にしていただければ幸いです。

「移住x起業の心得」

移住、起業の目的を明確にしましょう!

憧れや今までやってきたから大丈夫だろうではダメ!都会やこれまで暮らしてきた地域との違いから戸惑うことも多いのが実情です。移住や起業するのはあなたの判断です。困ったときに環境や人のせいにしても解決しません。なぜ、移住しようと思ったのか、起業したいのか、何をやりたいのか、なぜ、それをやりたいのか、人に聞かれても答えられるようにしておきましょう。目的を明確にしておくと悩んだ時にも原点に立ち返ることができますよ。

まずは人との縁を作りましょう!

移住や起業をするのは一つの手段。焦る必要はありません。石川県は比較的都会な金沢とそうではない能登や加賀のエリアがあります。金沢は都会のイメージで良いですが、それ以外の田舎は人と人との助け合いが強いです。一人では暮らしていけないということを忘れてはいけません。繰り返し、地域に通い、交流を通して、地域の方々との縁を広げていくことからはじめましょう。ご自身の理想の暮らし、起業してやってみたいこと、移住して起業された先輩や地域の方にもお話を聞いて頂いて反応を見てみること、そして、地域の方のお話を聞いて地域を知ることが大事です。ご縁づくりには、各市町の移住担当者や公民館、郵便局などを訪ねてみると縁をつなげる機会になります。

起業内容、道筋をじっくり検討しよう!

起業の内容について、誰向けのサービスなのか、例えばカフェなどであれば地域の方向けなのか、観光客など地域外の方向けなのか、対象となる顧客像によって立地や提供価格、商品が変わってきます。主にどういった方を対象にし、どのくらい利益を確保すれば良いのか、明確にしておきましょう。また、5年、10年先を見越した事業計画を立ててみましょう。必要な資金やネットワークや予め考慮しておいた方が良い課題などが見えてきます。ISICO(石川県産業創出機構)や各市町の商工会議所、商工会、金融機関など県内の創業支援機関に相談しながら進めると、ご自身では気づかない地域ならではの注意点に気づくことができます。

住まい探しは慎重に!

金沢であれば、複数の不動産屋を周り、物件を見てみましょう。その際にエリアごとのイメージや地域性を聞いてみましょう。物件だけではなく、周辺の環境も含めて見て回ることが重要です。
能登や加賀エリアでは、不動産屋が少なく、物件探しには町会など地域の方々の協力も必要です。移住したいエリア、起業したいエリアがおおまかに絞れたら、地域の町会などを通して物件探しを手伝ってもらいましょう。その前に、お互いが「この人なら大丈夫!」「ここなら大丈夫!」という関係を作ることも重要です。

地域に参加することが大事!

祭り、草刈り等々、地域の暮らしは皆の助け合いです。強制ではないですが、地域の方々は参加してほしいと思っています。人手が足りない田舎では、誰かがやってくれるではなく、自ら率先してやることが大事です。地域の活動に参加して「必要とされる喜び」「生きがい」を感じていきましょう。
また、起業後は地域の商工会や商工会議所などに所属することも検討してみましょう。同年代や同じような業種など創業された方々とつながることができます。

市民であることを忘れるべからず!

移住したり、起業した後、ときには馴染めない慣習も出てきます。意見を言うことも大事ですが、自己主張と譲歩の加減が大切。地域全体が安泰なら受け入れる気持ちも必要です。移住者という意識を持たずに、同じ市民として積極的に地域に溶け込むように努めることがなにより大切です。

最低限100万円は資金に余裕を!

移住、起業後は計画通りではない思わぬ出費もあるかもしれません。工夫して乗り越える方もいますが、資金がなくて困ってしまう方が多いのも事実。創業の補助金や金融機関からの融資もありますが、事業や暮らしが軌道に乗るまでの資金はなるべく余裕をもって用意するようにしましょう。心にも余裕が持てます。